2020年02月08日

本の感想をいただきました(3)


星野道夫文庫の高橋健さんの「星野道夫・その言葉の森をめぐる旅」が届い

てから和綴じの手作りの本の温もりに早く読みたいと思いつつ、お休みの日

にじっくり、と思っていました。

今日、日曜日に読み終えることができました。

今まで、折に触れ星野さんの文章を引用して考えることはありましたが、こ

のようにまとまって、星野さんの著書についての考察を読ませていただくの

は初めてであり、読みながら共感し、何度もうな頷いていました。

計らずも、星野さんがそうしていたように、高橋さんも、ご自身との観点と

いう目線から書き進め、そして大きな悠久の時間へ、それから社会における

人々の心の在り方について大きくと、目線を広げていかれている・・・身近

な観点から大きな観点へという書き方にも引き込まれました。

私の一番好きな文章のひとつがマイラが躍っているところをそっと見守り

「心のフィルムにだけ残しておけばいい風景が時にはある」という部分だっ

たので、初めからその部分について書かれていて嬉しかったのでした。

高橋さんが書かれているとおり、ここに、写真家としてがむしゃらに表現す

るのではなく、本当に大切なものを大切にする魂があると感じた私です。

星野道夫さんのご友人が死について究明していたことに対して、大切なこと

はそこにはないかもしれない、というのも共感します。

星野さんが一か月間撮影のため、氷河でキャンプする。風が吹くと体感マイ

ナス100℃の中でのそれは今まで誰もしていなかったこと。

その氷河に行くのに、飛行機ではなく、日数のかかる鉄道で行ったことに時

間を少し得て落ち着きたいという星野さんの中の心の揺れを読み取られると

いう読解力は素晴らしいと感じたのでした。

そして、アラスカの自然の中で会得した「悠久の時間の感覚」を頭ではなく、

経験で感じ取っていったという考察なども興味深いものでした。

今まで平面的に星野さんの文章を読んでいたことが、立体的に解き明かされ

るような面白さと、そして、この本の著者の高橋さんご自身の素直な心の揺

れも感じることができる、本当に私家版の貴重な星野道夫論だな、と感じま

した。

星野さんへの愛情に満ちたこの本を読み終わると、高橋さんがこの本を和綴

じ本にされたそのお気持ちがわかる気がしました。

高橋さんは、星野道夫さんを愛する人々が語り合って、世の中にその考えを

広めてほしいというお気持ちももたれていると感じます。

星野道夫文庫にもいつか訪れたいと思う私です。



               *



感想をお寄せくださったのは、大澤貴代子さんという関西にお住まいの方で

す。

大澤さんがご自身と星野道夫との出会いや思いをお書きくださったので以下

にご紹介します。


               *


星野道夫さんとの出逢いは、たまたま気になって切り抜いた新聞記事が星野

道夫さんのエッセイだったことを後で知ったという偶然の出逢いはあったの

ですが、その存在を強く知ったのは、亡くなった後で、地球交響曲第三番だ

ったと思います。映画を何度も繰り返し観ると共に、星野さんのエッセイを

片っ端から読み、影響を受けました。

「旅をする木」は私にとってのバイブルのような時期もありました。

それ以来、星野さんの本の中の一文が、私の心の指針になったり支えになっ

たりしております。

星野道夫さんの存在を通じて知り合った方も幾人かおり、その人たちはすべ

て大切な方となっています。

星野道夫さんは、本当に人と人をつないでくださり、生き方をさりげなく指

し示してくださる、私にとってはなくてはならない存在です。


               *


大澤さんとは、本を購入してくださったことをご縁に、メールで何度もやり

取りをさせていただきましたが、大澤さんが、星野道夫の世界観に魅了され、

さまざまな活動をなさっていたことがわかりました。

ボブ・サムさんが来日され、日本各地で神話を披露なさったとき、大澤さん

は、かつて星野道夫も講演をしたことのある京都の法然院で、ボブ・サムさ

んの「神話を聴く会」のボランティアスタッフとして関わり、司会進行をな

さったそうです。(大澤さんは、ジャンケンで負けたからと謙遜なさってい

ましたが、積極性において私のはるか上を行っていらっしゃいます。)

また、ガイアシンフォニー第三番に登場する伝統航海術士ナイノア・トンプ

ソンに感動されたからか後藤明先生という方がなさっていた、「環太平洋神

話研究会」や、ハワイの神話に関する講座を受けていたこともあったそうで

す。

このように星野道夫に深く関わっている方に拙著に対し、多くの共感をいた

だき、感謝に堪えません。

ありがとうございました。













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